【読書】山賊ダイアリー

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大好きなマンガ

本当に狩猟ができるんだ

それを実感させてくれたのが山賊ダイアリーというマンガだった。
現在、実際に狩猟をされている若手猟師の中でこの作品を知らない方、
または猟師でありマンガ家でもある著者の岡本健太郎さんを知らない方は少ないのではと思う。

この作品を介して意気投合しできた人間関係もある位に有名だった。
(ひょっとしたら自分が広めていたのかも知れないが)
狩猟の楽しさも命を奪う行為の物哀しさも、今では色んな所で共感できる。
第1巻が出てから10年以上経った今でも何度も読み返している。

どういった経緯でどうやって狩猟免許を取得したのか?
どのようにして獲物を仕留めるのか?
そもそも猟師とは一体どのような方々なのか?
全7巻に渡って事細かに記載してくれている。
法律やモラルの範囲内で、鳥や鹿や猪は当然、山に留まらず海や川でも獲物を手に入れる。
亀でもネズミでも狩りや食の対象。
それらは料理され、作者の胃袋へおさまっていく様子が描かれている。

特に猪の回は参考になった

サバイバル作家

本作以外にも『ソウナンですか?』というサバイバルマンガの原作をされており、
こちらは発行部数100万越えでアニメ化。
他にも多数の作品を残されている。

しかし最も惹かれるのはやはり山賊ダイアリーだ。
ロープを用いた高所からの下降や雪山での歩き方、ハチ駆除(勿論食べる)からヘビ食まで。
狩猟がメインとなるのだが、自然の中で生きるための要素がふんだんに盛り込まれている。
狩猟マンガというよりサバイバルマンガと表現した方が正しいと思っている。

本作を通じ、カラスやヌートリアを食べる機会にも恵まれた。
他にも川でウナギを釣ったり、その外道で釣れたスッポンやナマズも捌いて食べたり。
食べたい物が食べたい時に手に入る訳がない事と、
それでも食べようと思えば大概のものは食べられるという事を学んだ。

「災害が起きても絶対に生きて行けますね。」
初対面の方に狩猟をしている事を伝えるとそう言われる事がたまにある。
しかし絶対に不可能だといつも伝える。

自分の狩猟レベルがまだまだ低い事もあるがそれ以前の問題だ。
山へ行くのも飲食物を携行できるのも暖かい衣類を着ていられるのも、
全ては今現在目の前にある文明のお陰。
世の中に行き届いたサービスがあってこそ自分も狩猟を安全に楽しめる。
しかし作者は本当に『山賊』として生きて行けそうで、とてもじゃないが同じ真似はできない。

ただ、働いて眠るだけという鬱屈とした日々を過ごしていた自分にとって、
子供の頃に感じたワクワク感が一気に呼び覚まされた。
正に俺はこれがやりたかったんだ!
第1巻は風呂場で読み返し過ぎてボロボロになり、中古を含めて3回購入した。第2巻は2回。
自分もやろうと思えば山賊の1人になれるんだ。
本気でそう思えた。

立派なウナギが釣れた

転機と行動

やってみたいと強く思ったは良い物の、仕事がハードでなかなか狩猟の世界へは入れなかった。
いつかいつかと思いつつ、結局は仕事に流される毎日で、ようやく動き出したのは何年も後の事。
実際は動き出したというより・・
過労で体を壊し体調が回復する迄の休養期間中、狩猟免許の講習会と試験日程が偶然重なったのだ。

この機会を逃してはならない。
体が壊れるまで働いている場合じゃない。
絶対に狩猟を始めたい。
どんな猟のスタイルから始めれば良いのか必死になって山賊ダイアリーから学んだ。

狩猟には大別して

  • 銃(鹿・猪・鴨等の鳥狙い)
  • 罠(鹿・猪・アナグマ等の中型狙い)
  • 網(鴨等の鳥狙い)

がある事は把握していた。
銃は新人にはハードルが高い。
1丁の値段も馬鹿にならないし、正直、恐ろしい。
マンガでは鴨やら鳩やらを失敗しつつも大量に仕留めているように見えた。
絶対にそんなに甘くない筈だ。
先ず銃の扱いからして新人には難しいだろうと感じた。
それでは獲物を手に入れるまでに相当な時間を要してしまう。
網猟では鳥しか狙えない。
そして飛来するまでじっと待っているだけのイメージがあってあまり面白くなさそうだ。
・・罠だな。
獲物を仕留められれば1度に大量の肉を得る事ができる罠猟が自分にとって最適だった。
自分は料理がしたいのだ。時間をかけて僅かな肉しか得られないのでは本末転倒だ。
療養期間中に狩猟の事を思い出し、横になったまま情報を集めた当時の自分を今でも褒めたい。
石橋を叩いて渡る性格だが、あの時はすぐに罠猟の講習会へ応募した。

一方は木等にくくり、もう一方は地面に隠す

狩猟免許講習会

講習会の場所はとある県の山中、車で片道2時間くらいの自然豊かな観光地。
体はまだ本調子とはいかなかったので、車の運転にはとにかく注意を払う。
疲れる前にこまめに休憩。
ひたすら続く1本道に寄り添い流れる清流を眺める。
「(ここの鮎はうまいんだろな)」
そんな事を考える。
子供の頃、親と山登りの最中に偶然知り合ったじーさんから貰った塩焼きはうまかった。
その後、自生の柿をもいで食べたら渋柿で悶絶した事も思い出す。
自然を相手にしていた頃が一番楽しかった思い出。
これからはそれを更に上回る体験できるかも知れないと思うと嬉しくて仕方なかった。
早く好きなものを好きなように料理して沢山食べたい。
講習への期待が膨らんだ。

会場には大勢の参加者がいた。50人はいたと思う。
予想通り年配の男性が多いが僅かながら女性もおられたし、
教師らしき方が学生服を着た生徒を男女1人ずつ連れてきていた。
マンガで似たようなシーンがあったがビーム射撃とか盛んな地域なのだろうか?
山の中なので、農家で作物の被害から守るために参加される方が多いのだろうか?
自分の様に食べたいんだろうか?

教習用のしっかりした教本1冊とペットボトルのお茶を1本頂いて空いた席へ。
参考書は300ページ以上。
そこそこの厚みだ。
失礼ながらご高齢の方々が覚えきれる物とは思えないボリュームだった。
当然ながら自分だって怪しいもの。
もし丸々一冊覚えなければならないとしたら・・どうしよう。
ペラペラめくると様々な法令に関する内容も含まれている。
これまたマンガでは簡単に試験を通過していたように感じたが、
まさか実際の試験の合格率はかなり低いのでは。

流石に・・大丈夫・・だよな?

ちょっとだけ不安になりつつも講習会が始まった。

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エセ神戸は小食です意外ですねでもSNSは食い物ばかりアップしています。

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