鳥獣被害

鳥獣被害
イノシシの生息域

鳥獣被害対策セミナー

春の鳥獣供養と懇親会が終わり、いよいよ本当に狩猟との接点が冬まで無くなってしまった。
流石にもうイベントはなかろうと、半ば諦めて日々を過ごす。
するとまたもや会長から連絡があった。
なんとか狩猟との関わりや興味を維持し続けられる様に配慮してくれたのだろう。
ありがたい。
「名古屋で鳥獣被害対策のセミナーがあるらしいから行ってみたら?」
・・鳥獣被害?

鳥獣による農作物の被害と、単なる趣味として始めようとしている新人猟師に何の関係が?
そう思い返答を迷っていると大日本猟友会の定款にある言葉を思い出した。
「7.山岳丘陵地帯における救援活動を支援し、地域社会への貢献に関する事業

猟友会の総会で多くは語られなかったが、猟期後は獣害の駆除隊員として活動されている方がいた。
農業を営む方々の実生活を脅かす存在。
そういった意味での鳥獣の生態を学ぶ事も大事な気がした。なんとなく。
新しい発見があるかもしれないし、長い目で見ればいずれ狩猟の役に立つ日が来るかもしれない。

テーマが農作物の被害なんて、間違いなく昔から問題とされている内容ではあるが、昨今注目される
SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))
に沿う内容でもあった。
考えれば考える程に次第に興味が沸き、参加を決めた。

因みに自分以外の猟友会員参加者は1人もいなかった。

人がもたらす被害という一面

セミナー会場の年齢層は免許の講習を受講した時と似ていた気がする。
比較的ご高齢の方がやはり多かった。
狩猟ではなく農業絡みだからだろうか?
若干、女性が多めといった所か。

狩猟免許の講習会と異なっていたのは、
主催がアウトソーシング会社で担当者が若い方々ばかりだった事だ。
(国として被害対策に乗り出した事を知ったのは数年後だった)
ビジネスの一環としての動きだったとしたら判断と決断が随分とスピーディだ。

獣はどのようなルートを辿り村里に降りてくるのか?
村里に降りてきた獣は次にどう行動するのか?
可能な限りコストを抑えて農作物を守るための罠の作り方は?
配布された資料とプロジェクターで映し出された映像を用いて様々な事を教わる。
山中に設置された監視カメラが映し出すシカやイノシシが動き回る様子はやはり盛り上がった。
ジビエ肉として流通されていく話も出てきて、頭の中の感覚が駆除と狩猟を行き来した。

そんな中、セミナー以降ずっと考え続ける事になった最も興味を引いた話は人間についてだった。
人間がシカやイノシシを呼び寄せてしまうというのだ。
全く意味が分からなかった。
まさか食害に悩む農業従事者がわざわざエサを与えるなどと言う事はあるまいに。

担当者の話は以下のような物だった。

  1. 農業従事者が作物を育てる
  2. 育った作物の中の一部が形状等に問題があり規格外と見做される
  3. そのような作物は販売を認められないので泣く泣く廃棄しなければならない
  4. 規格外の作物を処分するにはお金がかかる
  5. 農家は処分費用まで支払う余裕がない
  6. 規格外の作物を近隣の山に捨てる
  7. 獣達が美味しい作物の臭いを嗅ぎつけて山から下りてくる

文字通り空いた口が塞がらなかった。
原因は人間ではないか。
農業従事者が多大なる労力とお金をかけて田畑で育てている最中の作物。
それらを一方的に山の獣達に狙われるのが鳥獣被害という物なのだと思い込んでいた。

そんな事をすれば深刻な結果を招くのは当然だ。
獣達からすれば山の中より美味しい食べ物が労せずとも手に入るのだ。
それを学んだ獣達が続々と里山に降りてきて、
貧弱な柵をどれだけ張り巡らせても物ともせず、売り物となる筈だった作物まで食い荒らしていく。
費用を支払い規格外の作物を処分した農家の土地で育つ作物も見境なく。

以降はどれだけ新たな予防策を打ち出そうと味をしめた獣達はどんどん回避策を学び、
そしてそれは子に受け継がれていくという悪循環が始まる。
産まれた子はまともに歩けるようになった時点で親についていき共に里山に降り、
予防策を回避し作物を得る方法を自然と親から学びそれを繰り返す事でより賢い個体が増えていく。

そこでどうしようもなくなった農家が猟友会へ駆除を要請するのだそうだ。
しかし、そこまで賢くなった獣達を捕らえるのは難しい。
思うように捕らえられない駆除隊員に対して、とある農家は言ったらしい。
「まるで役に立たないじゃないか。」

どこかが何かが誰かだけが正しいなんて事はそうある事ではない。
常にそれぞれの正義があるという事を改めて学ぶ。
猟友会の会長に感謝した。
こんな感想は語弊を招くかもしれないが、獣も人間も常に自分勝手でそれがまた面白い。

師匠の畑で採れたネギ

国内における被害の実態

現在ブログを書いている令和5年に調べた最新の農林水産省の情報によると
令和3年度の野生鳥獣による農作物被害額は約155億円
と記載されている。

都道府県ごとに農作物に被害をもたらす鳥獣はまるで異なるのだが、
被害額の推移を見た所、平成22年から令和1年までは全体的に順調に減少傾向にあった。
しかし、その後の令和2年と3年は明確な増加傾向を示している。
危ぶまれる猟師の高齢化と少数化。
たった二点のその要因だけでも、鳥獣被害の今後が明るくない事が容易に予想できる。

先輩方によると昔に比べるとカモやスズメは随分と減ったようだが、逆に鹿や猪は急増。
農家の被害が深刻である事は総会の際に何度も聞かされていた。
自分に何かできる日が、しなければならない日が来るのだろうか。
巡り巡って世の中はできている。

シカの生息域

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鳥獣被害
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エセ神戸は小食です意外ですねでもSNSは食い物ばかりアップしています。

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